フリースクールの義務教育修了認定で不登校の中学生はうれしいのか?
2016/01/01
皆さんはフリースクールってどんなところなのかご存知でしょうか?
学校の勉強についていけなかったり、いじめられていたりなどの理由で学校に行けなくなって、学校に通うことが困難な子どもたちが行くところ、と思っていますでしょうか?
それとも、「フリースクール」というのを初めて聞いた、と思っていますでしょうか?
「フリースクール」という言葉は、1990年代から使われはじめたそうです。
フリースクールは子どもたちの学習をサポートしているところになりますが、位置づけがあいまいなところが多いことから、国が制度としてフリースクールを認めようとする動きが出ています。
今回は、フリースクールってどんなところなのか、国が認めようとしている制度とはどんな制度なのかについて調べてみたいと思います。
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フリースクールの現状
不登校の子どもたちは全国に12万人もいて、クラスに1人ぐらいの割合でいるといわれています。
フリースクールは、不登校や障害をもった子どもたちを受け入れて、学習やスポーツ、体験活動などを行う施設になります。
北は北海道から南は沖縄まで、全国に474ヶ所あって、個人やNPO法人、ボランティア団体が運営しています。
規模も教育方針も運用費もそれぞれバラバラで、会費は平均で月3万5000円かかるそうです。
公立の中学校に通っている子どもが学習塾に通ったら、平均で月1万5000円かかるそうです。
それと比べると、フリースクールに通うほうが毎月の会費が高いことがわかります。
国としてフリースクールを制度として認められていないので、国からの寄付金は出ません。
毎月の会費や国以外からの寄付金からやりくりしないといけないので、仕方なく会費が高くなっているのかなと思います。
フリースクールを運営するのがいかに厳しいのかが想像できます。
フリースクールが国の制度として認定されるかも
そんなフリースクールなのですが、フリースクールに通う子どもたちは、通っている学校の校長がフリースクールの学習状況をみて、その子どもの学習能力が認められれば、学校に行っていなくても出席扱いにすることができます。
ただし、義務教育の修了は認められてはいません。
そのため、自民党の議員が中心となって、小中学校以外で教育を受けても義務教育修了を認める法案をまとめています。
法案名は、「義務教育の段階に相当する普通教育の機会の確保に関する法律案」といいます。長いですね。。。
この法案は野党も大筋で認めているので、来年の通常国会で提出して成立すれば、2018年の4月から国の制度としてスタートされるとのことです。
この制度では、学校在籍を条件にフリースクールや教育支援センター、家庭教育などの学校外での教育を認めるもので、復学を目指す場合とそうでない場合とで若干の違いがあるのですが、どちらも義務教育の修了が認定され、高校に進学することが可能になります。
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子どもは本当にうれしいの?
何のためにこの法案を成立させようとしているのかを考えたら、当然子どものためですよね。
その子どもたちは本当にうれしいのでしょうか?
高校進学のため復学を目指している子どもにとっては良い制度になるかもしれませんが、中学卒業については特に気にしていなくて、今のままのほうが居心地が良いという子どももいるかもしれません。
私にはなぜか、寄付金がほしいから制度として認定してほしいように思ってしまいます。
結局は、子どもがどうしたいのか、見守ることが一番だと思っています。
さいごに
法律の面からすると、この法案が成立すれば、1941年に義務教育を定めた国民学校令以来の教育制度の大転換となるといわれています。
制度が成立するとややこしい手続きが必要になると思うので、親や子ども、学校の先生に負担が増えることが予想されます。
法案の成立と一緒に、関係者をサポートする体制も考えないといけないと思いました。