2015年フランス・パリでCOP21開幕!地球温暖化対策とは?これからの課題は?
2016/01/01
11月30日にフランスのパリで地球温暖化対策の新たな枠組みを話し合う「COP21」が行われました。
深刻化している地球温暖化について、今まで後ろ向きだった中国やアメリカも前向きに取り組もうとしています。
今回はこの「COP21」について、地球温暖化対策の今までの経緯や今後の課題などについて紹介します。
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地球温暖化対策の経緯
学校の「社会科」で一度は習ったかと思いますが、産業の発展と一緒に二酸化炭素(CO2)の排出量が多くなったことで地球の温暖化が進んできています。
雨が振らず土地が干上がって砂漠になったり、北極の氷河が溶けだして海面水位が上昇してしまったりしています。
引用:IPCC第5次評価報告書
世界各国で地球温暖化の影響がでてきているので、どうにかしないといけないということになり、18年前の1997年に京都で会議が行われて「京都議定書」が取り決められました。
京都議定書は先進国だけに二酸化炭素の排出量を削減することを義務化したもので、
もし二酸化炭素排出量の削減量が目標にした数字よりも下回ったらペナルティが発生する強い協定になります。しかし、二酸化炭素排出量の多い中国は参加せず、またアメリカは途中で離脱しちゃいました。
そして、ズルズルと時が過ぎてしまい、二酸化炭素の総排出量は年々多くなっていき、2012年にははおよそ326億トンにまでなってしまいました。
グラフを見ると、中国は27.8%で第1位、アメリカは15.8%で第2位と、第3位のインドと比べてもダントツで二酸化炭素を排出しています。
ちなみに日本は3.7%で第5位です。
1995年から毎年のように世界各国が集まって地球温暖化について話し合いをしてきていますが、今年に開かれた「COP21」(Conference of Parties 21)で、ようやく中国とアメリカが二酸化炭素排出量の削減目標を発表しました。
COP21をざっくり説明
「COP21」は今年の2015年11月30日にフランスのパリで開かれました。
2020年以降の地球温暖化対策の新たな枠組みを話し合い、合意文書の採択を目指すために、196の国や地域が参加しました。
そこで今まで地球温暖化対策に消極的だった中国・アメリカが二酸化炭素の排出量削減目標を発表しました。
中国は「2030年までにGDP当たりの二酸化炭素の排出量を2005年に比べて60%~65%削減する」と発表し、アメリカは「今後10年間で2005年に比べて26%~28%の排出削減をする」と発表しました。
その他、180か国以上が削減目標を発表・提出しました。
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これからの課題
COP21で二酸化炭素の排出量削減目標を提出しましたが、まだ検討レベルなので、
これからどうやって合意文書を採択していくかが課題となります。
①新興国と先進国の対立
何年も前から言い合いになっていますが、これから経済発展していこうとする新興国にしてみれば、厳しい削減目標を決められたら自国の経済発展のスピードが遅くなってしまいます。
そもそも二酸化炭素を多く出していたのは先進国なのだから、先進国がもっと地球温暖化対策について考えてほしいというのが新興国の本音です。
そのため、なかなか話がすすまないといった課題があります。
②罰則規定なし
今回のCOP21で各国が提出した二酸化炭素の排出量削減案はあくまで「目標」であって、目標に達していなくても何もペナルティはありません。京都議定書のように法的拘束力の合意ができるのかどうかが課題となります。
さいごに
各国がやる気になっている背景のひとつに、二酸化炭素の排出権を売買取引できる市場が
機能しているので、これはお金になると各国が乗る気でいることがあります。
何はともあれ、地球温暖化は深刻な世界レベルの問題なので、特に新興国トップの中国と先進国トップのアメリカの動きに注目です。