意外と知らない?和食を食べる時のお椀の蓋・箸のマナーやおいしく食べる順番について
2016/01/17
このあいだ、関西ローカルで放送している「ビーバップ!ハイヒール」で和食について放送されていました。
2013年にユネスコ無形文化遺産に登録された和食!
2015年に食をテーマにしたミラノ国際博覧会では、約140ヵ国の参加国の中で日本がダントツの人気だったようです。
世界各国では和食レストランが続々とオープンされ、世界で和食ブーム起きています!
日本人として当たり前のように口にしている和食のことをみなさんは知っていますでしょうか?
僕もあまり知りません・・・
今回は和食について、食事マナーや料理に込められた料理人のおもてなしについて紹介します。
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目次
お椀物を食べ終わったら蓋はどうする?

引用:https://tokyo-calendar.jp
お椀物を食べ終わったら最初に出された状態に戻すのがマナーになります。
お椀のふたを裏返して戻すのはマナー違反とされています。
お椀には何も入っていないことをアピールするため、お椀のふたを少し横にずらして戻したりもします。
お椀の中にある貝は食べていいの?
お椀に入っている貝は食べてもいいのですが、ダシをとるためのものなので必ずしも食べる必要はありません。
一般的に、ダシ用の貝は水の状態から入れて、貝を食べる場合は、お湯にしてから入れるようにしています。
お椀の蓋が濡れている理由
乾いているものは趣き(風情)がないとされています。「無味乾燥」という四字熟語もあるぐらいです。
料亭の店前で打ち水をするのは、土埃をたたせないことのほかに趣きを出すためにしているんです!
お椀のふたが濡れたまま出される時があるのですが、これも趣きを出すためにわざと料理人がしています。
お椀のふたについた露は、不揃いの露のほうがより趣きがあるため、霧吹きでつけた露は均等になってあまり趣きがでないので、料理人は茶筅(ちゃせん)で露をつけています。
ミシュランの調査員もこのお椀のふたについた露をチェックしているらしいです!
お椀のふたの開け方
お椀のふたの開け方にもスマートに開ける作法があります。
①左手でお椀のふちを軽くおさえる
②右手をふたにかけ上に立てるように回して(しずくが落ちにくいするため)数秒経ってから外す
③開けたふたはふたを上にして置く(たてかけたりするのはNG)
吸い口で季節を感じる!
吸い口とは汁物に使われる香り付けのでことで、もっとも季節を感じることができる食材になります。
この香り付けでお店の味の良し悪しを判断しているともいわれています。
春 :木の芽
夏 :ミョウガ
秋・冬:黄柚子
逆さ箸はマナー違反!
サラダとかを取り分けるときにお箸を逆さにしていませんか?
実はこれ、マナー違反です!
逆さ箸は手が触れた部分で料理を掴むため不衛生なんです!
また、お箸の両側が汚れるで見栄えが悪くなります。
料理を取り分けるときは、お店の人に取り箸をもらうのがベストです。
とくにお正月の時などで使う祝箸は、神様と人がともに食事をすることでお互いの絆を強めるという意味があって祝箸を使います。
祝箸の反対側は神様が使うので、逆さ箸をしてしまうことは、神様の口を穢(けが)したことになるためタブーとされています。
正しい割り箸の割り方
割り箸の割り方にもお作法があります。
割り箸は上下に床と水平にして持ってひざの上で割るのがマナーになります。
左右に割り箸を割ってしまうと、勢いで隣の人に当たる可能性があったり、木くずが料理に入る可能性があったりします。
そもそも割り箸は上下で綺麗に割れるように作られているんです!
箸が濡れている理由
和食のお店に行くと、お箸が濡れているときがあります。
これはお箸が渇いていると食べ物がくっつきやすくなるのを防いだり、お椀物のダシがお箸に染み込まないようにしたりするため、料理人がわざと水で濡らしているのです!
箸を置く時のマナー
お皿などの上にお箸を置く渡し箸は、食事の終わりを示すサインになります。
箸置きがない場合は、箸袋を折って箸置きにしたり、お盆の左縁に箸先をかけるようにします。
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「懐石」と「会席」の違い
懐石ではご飯を先に食べて、会席ではご飯を最後に食べます。
この違いは何なんでしょうか?
懐石は抹茶を飲むための食事になります。抹茶はカフェインが多いので空腹状態で抹茶を飲むと胃が荒れてしまいます。そのため抹茶を飲む前にご飯食べて胃を膨らませます。
料亭や旅館で食事は会食と呼ばれ、お酒がメインとなる食事になります。あくまでもお酒がメインなのでご飯は最後に出されます。
焼き魚の向きにはちゃんとした意味がある!
以前に民主党の蓮舫議員がサンマの写真をツイッターで投稿した時に、サンマの頭を右にして皿の上に乗っていたので、「右向いてますよ。右www」「魚の置き方も分からないのか?」と指摘されていました。
焼き魚は頭を左にするのが一般的ですが、なぜ左にするのか知っていますでしょうか?
それは、食べる人が魚の骨を外しやすくするために頭を左にしているのです!
焼き魚の左半身を食べ終わったら、手は頭を、尻尾のほうをお箸でつまんで骨を取ります。
これは、日本人は右利き多いのでこのようなルールができたそうです。
川魚と海魚の違い!
川魚は海の魚とは反対に背のほうを手前にして出されます。
これは、川魚の腹には小骨が多くて食べるところが少なく、背のほうが身が多くておいしく食べられるからなんです!
料理をする人は食べる人を想って、このようなおもてなしをしてくれます。
スダチに隠された役目!
スダチは焼き魚の味を変えるためだけにあるのはないのです!
スダチは焼き魚の中骨を外すときに活躍します。
魚の身はたんぱく質でできているので、スダチをかけるとスダチに含まれる酸で身が固まります。
そうすると魚の身が引き締まって骨から外しやすくなるのです!
刺身のマナーとおもてなし

引用:http://hitosara.com
刺身についても、マナーや料理人のおもてなしを見ることができます。
「刺身」の名前の由来
刺身は「左し身」という言葉からきていて、市場の魚は右半身を下にしています。
そうすると右半身は圧迫されて鮮度が落ちていってしまいます。
料理人は鮮度の良い左半身の身を食べてもらいたいという気持ちから、「左し身」→「刺身」となったそうです。
刺身という言葉は、身にヒレを刺して目印を付けたことから刺身と名付けられたともいわれています。
刺身の盛り合わせをおいしく食べるには?
刺身の盛り合わせをおいしく食べるために、食べる順番があることを知っていますでしょうか?
刺身の盛り合わせは、お皿の左側にイカなどの味がうすい刺身を乗せて、右にいくにつれてマグロのような味の濃い刺身を盛り付けています。なので刺身の盛り合わせは味のうすい左側から食べるとおいしく食べることができます!
ちなみに天ぷらは、手前が味のうすく奥に味の濃い天ぷらを盛り付けているので、手前の天ぷらから食べるとおいしく食べられれることができます!
また天つゆではなくて塩で食べる場合は、塩をつまんで天ぷらにかけてから食べるほうがおいしく天ぷらを食べることができます。
その理由は、天ぷらを塩につけると塩に油で固まってしまい、思いのほか多くの塩をつけて食べてしまう可能性があるためです。
手皿はマナー違反!
刺身をしょうゆにつけて口にもっていくとき、手皿をして食べていませんか?
実は手皿はマナー違反で、日本は唯一食器を手で持っていい国なので、醤油皿で受けて食べるのがマナーとされています。
「ツマ」と「ケン」の違い
大根やキュウリの添え物は基本は食べてもいいですが、マグロなどの刺身の下に敷かれた大根などの野菜は血抜き用として添えているため、野菜が赤く染まっていたら食べない方が良いです。
「ツマ」とは血抜き・補助のための野菜で基本的には食べません。一方の「ケン」は口直しのための野菜なので食べてもOKです。
ツマとケンでは野菜の長さが違っていて、ツマは長く、ケンは短くして切られています。
さいごに
和食は本当に奥が深いですね。
他にも調べたらいっぱいマナーやおもてなしの心が見えてきそうです。
食べるほうも料理を作るほうもあまり意識していないところもあるかもしれませんが、これらのことを思い出して和食を食べてみると、料理人の気遣いを想ってより美味しく感じられるかと思います!